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蝉の羽化

2015年12月1日(火) 晴れ時々曇り

 ようこそ、当ブログにご訪問いただきまして、誠に有り難うございます。心より感謝申し上げます。

 ブログをお持ちの方のご訪問につきましては、毎日訪問させて頂いていますので、どうか今後ともよろしくお願い致します。なお、お持ちでない方への訪問はできませんが、ひきつづきご愛顧を賜りたく存じます。

 拍手コメントには、ご返事できていませんが、拝読させて頂いています。これからもどうぞお気軽にお寄せ下さい。
 千春



♪♪♪【蝉の羽化】♪♪♪ (短歌とエッセイ)

 蝉は哀しい生き物だ、と思うのはわたしだけだろうか。卵から幼虫になって、3~17年も土の中で生きてゆくことになる。土の中で木の根の樹液を吸って生きるのだ。太陽の陽射しを浴びるということもなく、闇のなかで生命をつないでゆく。土の中は安全のように思えるけれど、モグラ、ケラ、ゴミムシなどの天敵がいる。そして幼虫を侵す菌などからも身を守らなければならない。

短歌

幼虫が蝉へとかわる瞬間は木に爪を立て殻を脱ぐなり


 しかし、わたしが感動的だと思うのは、幼虫から成虫へと羽化する瞬間のドラマである。幼虫は夕方地上にあらわれて、周囲の樹などに登り、日没後に羽化を始める。わたしの心を魅了するのは、幼虫が木の幹や葉の上に爪を立てて、羽化を始めるということである。この羽化というのは、人間の誕生と同じように大事業である。人間の誕生も陣痛が始まって、妊婦は痛みをこらえながら精一杯の力を込めて、新しい生命を産み出すのである。バーに掴まったり、助産師さんに掴まったりして「いきむ」ことも少なくない。蝉の幼虫はバーではなく、木に自分の爪を立てて、渾身の力を振り絞って羽化する。爪を立てる、それなくして羽化することはできない。その爪にわたしは感動する。こうして見てくると、決して蝉は哀しい生き物ではない、ということが分かる。そう思っているのは人間だけである。



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