まぼろしの声

2015年6月29日(月) 晴れ

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「まぼろしの声」

 父と母が亡くなって久しい。ところが、ふとふたりのことが甦ってくることがある。いまわたしがこうしてあるのは、やはり父と母の生き方が大きく反映しているように思えてならない。ふたりが生きた時代は、民草にとって厳しく生きづらい社会だった。父は戦前3回も徴兵されて、中国大陸などに赴いている。母はその銃後を守って懸命に働き生きてきた。

短歌

いまだから許せる父と母の生社会の渦に呑まれたふたり

母父の眠れる墓に酒菊をまぼろしの声耳澄ましおり


 戦後は貧しさとのたたかいだった。それは社会の貧しさでもあり、ふたりの所為(せい)ばかりとはいえなかった。社会と我が家の貧しさゆえに、いさかいは絶えることがなかった。それを思うと母父に憎しみさえ抱くことがある。が、父と母はいま山ふところに抱かれて、朝日を浴びうぐいすの鳴き声を聴きながら、静かに眠っている。白菊と酒を手向けるわたしである。



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 1947年生まれの70歳で、
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 住所は岡山県浅口市寄島町です。
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 名前は「千春」ですが、男性です。

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