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‘14年ささやき日記 「床ずれ」

2014(H26)年9月10日(水) 晴れのち曇り

   タイトル 「床ずれ」

 今まで何かとお世話になってきた文学の先輩は、重度の身体障がい者で、施設に入っている。週3日だけ、車イスに乗ることを許されている。

 高校3年の秋の体育祭で、首の骨を折ったのだ。それで下半身麻痺、腕や手も自由に使うことができなくなった。が、彼は小説やエッセイ、詩や短歌を書いて何冊もの本を発行している。

 パソコンのない時代には、鉛筆にグルグルと布を巻き太くして、字を原稿用紙に書いていた。今は、不自由ながらパソコンのワードに文字を打ち込んでいる。

 そうしてかれこれ10年、ほとんど毎日、ブログに日々のことどもを書いて発表してきた。しかし、3、4日前の日記を読んで、私は驚いた。

 「尻が破れていた」という、ブログのタイトルだったからだ。「尻が破れる」というのは、床ずれで皮膚がはがれるということである。

 彼は相当落胆していた。尻の薄い表皮が破れると、それがくっつくまでに年単位の時間を要する。以前には、2年、3年掛かってようやくくっついたのである。

 「尻が破れる」ということは、つまりは床ずれが完治するまでは、車イスに乗れないということだ。ベッドに365日縛られているということが、どんなに大変なことなのか。

 カラオケにも屋外への散歩にも行けないということである。それがどれだけ精神を滅入らせるか想像に難くない。ベッドから降りて車椅子に乗るということは、心のうっ屈をはらすことができるからだ。

 早く尻の表皮がくっついて、車イスに乗れるようになることを願うばかりである。そして、ふたたび小説や詩が書けるようにと、祈らずにはいられない。



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