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‘14年夢日記 「『寅次郎サラダ記念日』を観る」

2014(H26)年8月12日(火) 晴れ時々曇り

   タイトル 「『寅次郎サラダ記念日』を観る」

 「寅次郎サラダ記念日」は、山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズの第40作目である。俵万智のベストセラー「サラダ記念日」を原作としている。随所に、短歌がスクリーンに映し出され、短歌文学の香りを味わうことができる。「『愛してる』なんてカンチューハイ2本で言えるならこんなに苦労しねってことよ」。この短歌はポスターに刷り込まれている。

 また、「寅さんが『この味いいね』と言ったから師走六日はサラダ記念日」と、映し出される。まさに、寅さんにしてみれば、「カンチューハイ2本」で、「愛してる」なんて言えたなら、こんなに苦労しないですむ。今回もまた、マドンナの真知子(三田佳子)に恋をしながら、その想いを伝えられない寅さんがいる。

 私はこの映画を観終わったあと、その余韻にひたりながら、なんとなく「よりよく生きたいなァ」という想いが沸いてきた。随所で私は大声で笑いながらこの映画を観た。そこに喜劇としての面目躍如といった感があるが、しかしこの映画は、単なる喜劇で終わることがない。つまり、人生について、人の生き方について、考えさせる力をこの映画は持っているのだ。

 すぐれた芸術作品が、「人の人生を変えてしまう」ほどの力をもっていることは、よく知られたことである。この「寅次郎サラダ記念日」もまた、人に人生を考えさせる、そんな魅力ある作品である。山田監督にしても、映画を観ることによって、「よーし、明日からよりよく生きてみたい」と思ってもらえたら、これに勝るものはないだろう。

 この映画は、寅さんが婆ちゃん(鈴木光枝)に出会うところから始まる。婆ちゃんは、「あんたおかしな人だねえ」といって、「オラのうちさ、泊まってゆきねえ」ということになる。翌朝、真知子が婆ちゃんを迎えにくる。真知子は小諸病院の女医である。ここで、寅さんはマドンナに会うことになる。婆ちゃんは入院などしたくない、死ぬならわが家でと言い張る。

 真知子がいくらいっても、納得しなかったが、寅さんの勧めでやっと婆ちゃんは病院へいくことを承諾する。婆ちゃんは入院するが、もう末期である。真知子は、ほんとうに末期患者を入院させることが、正しい医療のあり方だろうか、と悩んでいる。真知子は、旦那と死に別れている。寅さんと話していて、「面白い方」、「うちへいらっしゃいません?」と真知子は誘う。

 寅さんは、もちろん真知子に一目ぼれだが、真知子もまた、「気の置けない寅さん」に想いを寄せる。寅さんは、女のひとり暮らしだからと言って、早々に真知子の家を辞す。真知子は「あなたのような方に会えて良かったわ」と言って、送り出す。姪の由紀(三田寛子)は、真知子が「寅さんに恋してるのよ」と、寅さんに告げる。

 寅さんが「くるまや」へ帰っていると、東京の実家へ帰っていた真知子はそれを知って、「お会いしたいわ」という。そして、日曜日に真知子は「くるまや」へやってくる。そこで、真知子は、「寅さんといると、どうしてこんなに楽しいのかなァ」、「寅さんといると、ひとりの女だということを思い出すの」と、繰り返し、寅さんに恋心を伝える。

 しばらくして、小諸から婆さん危篤という知らせが入る。真知子からの電話だった。「婆ちゃんがしきりに寅さんに会いたがってる」と伝える。寅さんは急ぎ信州へと旅立ったが、間に合わなかった。寅さんが病院へついたときには、婆ちゃんは亡くなっていた。真知子は、ずいぶん落ち込んでいる。

 婆ちゃんが、あれほど「家で死なせて欲しい」と言っていたのに、無理やり病院へ入院させたことを後悔していた。病院の廊下で、真知子は涙を流すのだった。しかし、寅さんは葬儀を終えると、そそくさと帰るという。真知子の想いを振り切るように寅さんは、旅立ってゆく。

 真知子の悩みを受けとめることのできない自分、真知子には、そんな悩みに答えられる人が必要だ、と寅さんは思いこみ、みずから身を引く。お互いに好きなのに一緒になれない、哀しい恋である。喜劇でありながら、喜劇でない奥の深さがこの映画にはある。まさに「ものの哀れ」である。この映画もまた、もの哀しい余韻を残す、すぐれた映画である。



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 1947年生まれの68歳で、
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