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‘14年夢日記 「映画『学校』を観る」

2014(H26)年8月10日(日) 雨

   タイトル 「映画『学校』を観る」

 夜間中学を舞台にした「学校」がテーマであり、山田洋次監督の力作である。今でも夜間中学は8都府県に35校(2013・3・31現在)あり、義務教育として運営されている。山田監督のモチーフは分からないけれども、現代教育の差別と選別、競争主義に対するアンチテーゼとして、この「学校」を撮ったように思えてならない。

 主人公の黒井先生(通称クロちゃん・西田敏行)のクラスには、7人の生徒がいる。二十四の瞳ならぬ十四の瞳である。働きながら学校に通うカズ、中学校を不登校になったえり子、不良のみどり、中国人の張(チャン)、焼肉屋を経営するオモニ、脳性マヒで言葉の不自由な修、長年の肉体労働で身体を酷使した競馬好きのイノさん(田中邦衛)の7人だ。

 卒業も間近に迫り、卒業記念文集を創るので、作文の時間を黒井は設ける。「卒業にあたっての思い出、決意、その他」がテーマとして与えられる。しかし、3行しか書けないというカズ、1枚では足りないというえり子などさまざまである。生徒に作文を書かせながら、黒井はこのクラスを受け持ってからのことが、走馬灯のように思い出される。

 オモニは、小学校にも行かせてもらえなかった。平仮名も漢字も書けない。しかし、子どもたちを育て上げ、焼肉屋を切り盛りしながら学校にきている。みどりは、屋台のラーメン屋によって、客の残した汁をすするというようなことまでしていた。また、シンナーもやったことのある不良である。

 黒井がラーメンを食べていると、そこでみどりが汁をすすっているのをみつけ、追いかけてつかまえる。黒井の家に連れて帰り、彼はラーメンを作って食べさせる。みどりの父親はアル中だった。カズは清掃業の会社に勤めている。カズが「先生なんて、甘いもんだよ。喋っていりゃ金になるんだからな」と、いいがかりをつける。それに対して、「何が肉体労働か、俺もやってやる」といって、黒井は1日清掃業をする。

 しかし、黒井は床を磨く掃除機がうまく使えない。掃除機が暴走するのである。黒井は清掃業がいかに大変かを実感する。カズに励まされる始末である。中国人の張は、協調性がなくすぐに会社を辞めてしまう。面接の当日に「給料はいくらか、安い。この会社景気悪いか」と、失礼なことを言ってしまうような男だ。

 えり子は、両親に伴われて学校にやってきた。中学校は1日行ったきりで不登校になってしまった。テレビで夜間中学のことを知ったという。学校見学をして、えり子は夜間中学へ行くことを決める。えり子は成績がよかった。定時制高校に行きたいと黒井に洩らすようになる。そんな時イノさんが死んだという報せが入る。山形からの電話であった。イノさんは、病院を出て、山形に帰っていたのである。

 黒井は、田島先生(竹下景子)に頼んで、授業を変わってもらって、イノさんを偲ぶホームルームを計画した。イノさんは、小学校に上がったばかりのとき、父が死んだ。母は盲目で、イノさんを育てていたが、交通事故で死んだ。妹も川遊びをしているとき死なせてしまった。20歳のとき、イノさんは上京した。

 イノさんは、ブタのエサの回収をしたり、鉄工業の仕事に就いたり、メリヤス工場に勤めたりと数えきれないほど、職を転々とした。イノさんが入学した頃は、メチャクチャだった。国語の時間に「みるく」という字をカタカナを書いてみろ、と先生にいわれても、イノさんは前に出てゆくことができない。オモニは、「イノさんは、競馬新聞は読めるんだよ」と言うと、黒井は「おぐりきゃっぷ」と平仮名で書く。「イノさん、書いてみろ」と言われると、彼は勇んで黒板の前に出て行って、「オグリキャップ」と堂々と書くのだった。

 また、国語の授業で、ハガキを出すという課題が与えられる。イノさんはなかなか書かなかったが、黒井から「ハガキは自分の胸の内を書くものだ」と言われて、書く気になる。イノさんは、田島先生にプロポーズのハガキを書いてしまい、ひと騒動おこる。なんとか黒井がおさめたが、「みんなグルか、デキレースか」と言って納得しない。

 イノさんの偲ぶホームルームが終り、先生たちはイノさんの送別会へと出かけてゆく。えり子が、「わたし、普通高校へ行って、教育大学を出てこの学校の先生になりたい」と黒井に打ち明ける。降りしきる雪の中を、黒井と田島先生は真っ赤な傘で一緒に送別会へと向かう。印象に残るラストシーンである。

 この「学校」は、日本社会の縮図であるとともに、現代の教育の問題を投げかけている。差別と選別、競争主義の教育、いまの教育は、ほんとうにこれでいいのだろうか。学校とは何か、学校の原点とは何か、それを厳しく問うている。一人ひとりが主人公であるような学校こそが、本来の学校ではないのだろうか。この映画は、教育の原点に迫るというすぐれた映像世界を創造したものである。



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 1947年生まれの68歳で、
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