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‘14年夢日記 「対談、山田洋次・三上満」

2014(H26)年7月26日(土) 晴れ時々曇り

   タイトル 「対談、山田洋次・三上満」

 山田洋次と三上満の対談集を読んだ。本の表紙には、「めんどうくさいもの・人間」、「映画・教育・そして愛」と記されている。1991年に刊行されているので、今からもう23年も前の本である。が、その内容がちっとも色あせていない。それどころか、この中で指摘されている問題が、いよいよ深刻になり、この本の役割が大きくなっているのを感じる。

 まず、この本の中で論じられている映画について挙げておきたいと思う。「男はつらいよ・知床慕情」、「椿姫」、「男はつらいよ・幸福の青い鳥」、「男はつらいよ・寅次郎あじさいの恋」、「男はつらいよ・寅次郎純情詩集」、「男はつらいよ・寅次郎かもめ歌」、「男はつらいよ・寅次郎サラダ記念日」、「続・男はつらいよ」「同胞(はらから)」、「下町の太陽」、「息子」、「男はつらいよ・寅次郎心の旅路」、「幸福の黄色いハンカチ」、「男はつらいよ・寅次郎の休日」、「男はつらいよ・ぼくの伯父さん」、以上の映画について、触れられている。

 三上満というのは、当時、全日本教職員組合(全教)の委員長だった。このふたりの対談が実にいい。お互いに同じような問題意識をもっており、教育・人間について縦横に語っている。私は本を読むと疲れるので、1時間読んだら必ず15分くらい休憩をとるようにしている。が、この本は興味が尽きなくて、休みなしで一気に読むことができた。

 この本がすぐれているのは、聞き手である三上満が山田監督と同じような問題意識を持っていることと、彼がしっかりした「映画観・人間観・教育観・そして愛情観」を持っているからである。「徹子の部屋」の徹子のような役割を三上満が果たしている。山田監督の内に秘めた想いを十二分に引き出している。

 三上満は、この対談の中で、「神戸の高塚高校で、門扉で女子高校生が圧死させられた事件」を手がかりに、教育の問題・生徒の問題・教師の問題・人間の在りようの問題を山田監督に投げかけて、それらの問題に迫ろうとしている。門扉圧死事件というのは、決められた時間になると、門扉を閉めるというもので、1分でも遅れたら校門からシャットアウトするという中で起きた悲劇である。

 ここには、さきほど挙げたいくつかの問題が、集中しており、そのなかに今日の問題が隠されている象徴的な事件である。これが、寅さんの生き方との対比で追求される。つまり、規則、規則で生徒を縛りつけていいのか、教育の効率化、道徳教育、日の丸、君が代の強制のなどの問題がきびしく問われている。

 寅さんなら、毎日遅刻で学校には入れてもらえないだろう。生徒1人ひとりの生活の事情、生き方の配慮がなされていないのではないか。教育はもっと人間的であるべきではないか。規則や効率というのは、一面、教育とは相反しているのではないか、と疑問を投げかけている。

 「世の中に、自信満々で、おれは何一つ欠点がない、完璧な人間だと思っているような人がいたとしたら、その人は頭のネジがおかしくなっているとしか言いようがない。だれだって、なぜこう自分はだめなんだろうとか、なぜこんなに才能がないんだろうとか、なぜ自分はこんなにみっともないんだろうとか、いろんな劣等感を持って生きてるんだと思うんですよ」

 「映画にもいろんな映画があるけれど、ぼくが好きな映画っていうのは、観客がその映画を見終わって、見る前よりもちょっと偉くなったような気持ちっていうのかな、「おれもまんざらでもないな」というような気持ちになれる映画です」

 山田監督はこのように語っている。ここには、先に挙げた問題の核心に触れているように思う。山田監督と三上満の対談の核は、「人間愛」ではないだろうか。私はこの本を読む中で、映画の場面が甦ってきて、一再ならず涙が滲んできた。いまの社会と政治は、「人間愛」という視座が欠落しているのではないだろうか。この社会が「人間愛」というものを、基底にすえていくことこそが、今求められているように思う。



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 1947年生まれの68歳で、
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