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‘14年夢日記 「映画 『蝉しぐれ』を観る」

2014(H26)年7月3日(木) 雨

   タイトル 「映画 『蝉しぐれ』を観る」

 「蝉しぐれ」は、藤沢周平原作の時代小説で、黒土三男の監督で映画化されたものである。私は2度目となるが、NHK・BSプレミアムで観た。2度目といえども私を失望させることはなかった。小説でよくいわれることは、事件や事柄を扱った場合、それを追うあまり人間を描くということが、おろそかになるということである。

 が、この映画は事件を追いつつ、主人公の牧文四郎の成長と悲恋を描き、人間をくっきりと描いている。その点では、原作に負うところは大きいし、監督の黒土三男の眼のつけどころもまた見逃せない。「蝉しぐれ」は藤沢周平の代表作のひとつで、その原作を生かし切った監督の腕も光っている。

 この物語は、隣家の娘ふくが川で洗濯をしているとき、蛇に咬まれるということから始まる。この物語の伏線ともいえるものである。文四郎が川で顔を洗っているとき、その場面に出くわすのである。文四郎はふくの指を吸ってやり、血を吐き出す。文四郎15歳、ふく12歳であった。この一件で、文四郎とふくの間は、急速に縮まったのである。

 その後も、隣家の依頼で、文四郎はふくを祭りに連れてゆくもあった。が、お世継ぎをめぐる政争が表面化し、これに関与していた父、助左衛門は捕らえられる。隣家の母はふくに、もう牧家と付き合わぬように言い渡す。助左衛門は切腹を命ぜられる。腹を切らされた父を、文四郎は連れ戻そうとするが、峠の坂道で立ち往生してしまう。それを救ったのがふくであった。大八車の後ろをふくは懸命に押して、峠を越えるのである。

 その後ふくは江戸へと招かれ、藩主の側室となる。が、藩主の子を宿すが流産してしまう。ここに、もうひとりの側室おふねの陰謀があったのではないか、ということが浮かび上がってくる。海坂藩では家老と次席家老の政争となってあらわれる。横山家老派だった父は、次席家老の陰謀によって捕らえられ、切腹させられる。これがお世継ぎをめぐる政争である。

 が、ふくは2度目の妊娠をして、江戸から帰国させられる。これもおふねや里村家老の陰謀なのだ。子どもを生んだふくは、またお世継ぎ問題をめぐって暗殺されそうになる。そこへ文四郎への密命がくだって、ふくの子どもをさらえということになる。文四郎は逸平とともにふくの住む欅御殿へおもむく。が、里村派は数十人の武士を送り込み、皆殺しを企てる。

 剣の立つ文四郎は、里村派の武士を打ち破り、横山家老のところへ、ふくを逃がすのである。ふくは横山家老に守られて無事暮らすことができるようになった。しばらくのときを経て、ふくは白蓮院の尼になることを決め、出家することになる。ふくは、文四郎を呼び寄せる。最後の逢瀬である。

 ふくは、江戸に立つにあたって、文四郎の家を訪ねた。が、彼は留守をしていた。ふくは「文四郎のお嫁になりたい」と告げに行ったと告白する。文四郎の母トヨがいたが、それを打ち明けることはできなかった。文四郎がふくの指の血を吸ってやり、祭にも一緒にゆく。ふくは助左衛門を乗せた大八車を押し、文四郎を助ける。文四郎は欅御殿のふくを助け出す。

 が、ふたりは相思相愛だったが、ふくは白蓮院の尼となって、文四郎のもとを去る。この文四郎とふくの恋情が、この物語の底辺を流れているが、結局ふたりは結ばれることがなかった。籠にのってゆく、ふくを見送る文四郎、そこはかとない悲しみが伝わってくるラストシーンだ。政争という事件に翻弄されたふたりの悲恋の物語である。



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