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‘14年夢日記 「『アラサー女子がいく』を読む」

2014(H26)年4月18日(金) 雨のち晴れ

    タイトル 「『アラサー女子がいく』を読む」

 「アラサー女子がいく」は、「民主文学」5月号に掲載された、松本たき子の短編小説である。彼女は「民主文学」初登場である。今年32歳になる新人で、まさに「アラサー女子」そのものだ。その彼女が、優れた作品を生み出したことに拍手を送りたい。

 この作品は、金曜日から次の土曜日までの約一週間のアラサー女子の変化を描いている。それは政治的な目覚めともいえるし、アラサー女子の生き方の模索と変化ともいえるだろう。

 金曜日
 昨晩は、大学時代の友人達との三カ月に一度の定例女子会だった。女五人で食べて飲んで喋って歌った。主人公の恵理はそのためか、かったるい朝を迎えた。彼女の勤務先は健康保険組合で、健康保険証を作る仕事をしている。彼女はその通勤の途上のデッキで、赤いのぼりを立て、ビラを配っているのを見た。

 恵理は、このデッキでの政治活動を快く思っていなかった。選挙前しかやらないことや、当選したら言ってたことを全部撤回してしまう、ことなど信用できないことが多かった。しかし、この政党は月に何度かこのように宣伝していた。そして、何よりも恵理の心をとらえたのは、二十代前半と思われる女の子がいたことだった。

 月曜日
 土日は高校の同級生たちと房総半島へ行ってきた。そして、今朝はお土産の落花生クッキーをぶら下げての出勤である。そしてまた、例の赤いのぼりが目に飛び込んできた。その中に、先週見かけた若い女の子もいた。

 今晩は、月一回のフラワーアレジメント教室の日だ。そこへ向かう途中、有楽町駅の前の広場で、マイクで演説しながら、ビラを配っている人たちに出会った。そのビラには特定秘密保護法反対と書かれていた。恵理は、こういう行動はたとえバイト代が出るとしても絶対断る、と心の中で呟いていた。

 水曜日
 通勤途上、電車の中でフェイスブックを開いて眺めていると、中学生の同級生が、「秘密保護法反対!」と書かれた、プラカードを持って彼氏と写っていた。そして、ツイッターをチェックしてみたら、恵理の好きな写真家がつぶやいていた。「何が秘密かは秘密です」。恵理は、さすがにこの問題がちょっと気になりだした。

 金曜日
 定時で仕事を終えると、恵理はネイルサロンを予約していたので、ウキウキとした足取りでサロンに向かった。オーナーのリカさんにネイルをしてもらっている時、彼女が「昨日国会前に行って、秘密保護法案の抗議をしてきた」という話を聞いた。リカさんが? と思ったが、彼女は自分と秘密保護法案の関わりについて色々と話してくれた。

 土曜日
 今日は結婚披露宴の日だ。恵理はいつもと同じ六時に起きるつもりだったが、うっかり二度寝してしまった。飛び起きた彼女はとりあえずテレビをつけた。バタバタと身支度をしていると、テレビニュースが流れてきた。

 「昨日深夜、参議院本会議で特定秘密保護法が成立しました」というものだった。恵理は、なぜかムカついている自分にびっくりして、テレビを消して、乱暴にリモコンを投げつけた。

 この作品は、アラサー女子の日常生活の風俗がとてもよく描けている。そのアラサー女子の生き方が、地に足がついてないように思えるけれど、秘密保護法という政治への関心がしだいに高まっていく様子を無理なく丁寧に描いていて、すぐれた短編になっている。



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 1947年生まれの68歳で、
「新日本歌人協会」の会員です。
 短歌創作を通じて、平和と民主主義をめざしています。
 住所は岡山県浅口市寄島町です。
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 名前は「千春」ですが、男性です。

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