‘14年夢日記 「忘れ得ぬ人(2)」

2014(H26)年3月4日(火) 晴れ時々雨

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     タイトル 「忘れ得ぬ人(2)」

 中田しづは、詩や短歌の他に油絵を描いていた。たしか、20代の終わり頃か30代の初め頃であったように思うが、二科展に何度か入選したことがあり、漁村の小さい酒場の壁に、色彩豊かな絵を掛けてあった。彼女は詩・短歌・絵画と、芸術的に多彩な人である。今回は彼女の短歌を紹介してみたいと思う。

 花

 花屑を拾い集めて火を放つ
          つつじは燃えずただけぶるのみ
 朝露草の花摘みて
          夜白粉のにほいのする指酒を注ぐ
 この一瞬も又夢とならむ
          蝶型の衿のボタンをひきちぎりつつ
 水がめの水に映りし灯は
          ヘチマの花かちらりほらりと
 夢色の紅さす時に僅かにも
          唇ひらき口づけするが如く
 災いを遠くのがれて
          野仏のかたわらに露草の咲く
 潰瘍の青き粉薬飲むに疲れ
          炎天の下に蟻を追う
 今朝死のうか明日死のうか
          儚くも落葉の柩に身を横たえて
 白きシーツに止まらば一匹の
          虻も命の黒点落とせり
 濃く描かば露草色の粉シャドウ
          春のまぶたの疲れて寒し

 この短歌は、やはり彼女の代表作ではないし、私の手元にある作品を映しとったに過ぎない。もっともっと、彼女にはいい歌が残されているはずである。が、この10編の短歌にも、彼女の才能の片鱗をうかがうことができる。

 花屑を拾い集めて火を放つ

 夜白粉のにほいのする指酒を注ぐ

 蝶型の衿のボタンをひきちぎりつつ

 唇ひらきくちづけするが如く

 潰瘍の青き粉薬飲むに疲れ

 今朝死のうか明日死のうか

 虻も命の黒点落とせり

 濃く描かば露草色の粉シャドウ

 これらの言葉は、カミソリのように鋭く私に迫ってくる。情念の烈しさ、そして、そこはかとなく漂う色香が匂ってくる。生と死のぎりぎりにある命が、この歌にはある。生きることの淋しさ、辛さ、厳しさ、危うさがこの歌には宿っている。

 彼女はどうして、40代半ばで詩や短歌、絵を絶つことになってしまったのだろうか。40代半ばでその才能が突然折れてしまったのだ。生木を裂くようにという言葉がぴったりの、折れ方なのである。

 彼女はいまどうしているだろうか。逢いたい逢いたいと痛切に思う。彼女は再生しているだろうか。私の「忘れ得ぬ人」である。



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