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‘14年夢日記 「『ローアンの風』を読む」

2014(H26)年2月13日(木) 曇り

『しんぶん赤旗』TOPニュース
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     タイトル 「『ローアンの風』を読む」

 「民主文学」3月号の青木資二「ローアンの風」は、爽やかで読者の心を打たずにはおかない佳編である。「ローアン」という言葉は、初めて聴く言葉なので疑問を持って読み進んでゆくと、後半部分でその意味するところが分かってくる。

 「ローアン」というのは、「労働安全衛生」を略してそう呼ばれている。この「ローアン」の使い方は的を射ており、テーマを象徴する言葉としてふさわしいものになっている。タイトルの「ローアンの風」も内容に合致しており、的確な表現である。「名は体を表す」というが、まさにその通りである。

 主人公の香澄は、小学校の教師に採用されて、まもなく二年が経とうとしている。正確には二年目の二学期、終業式を終えたところである。作品は、その夜に約二年間の学校生活を、香澄の視点で振り返るというものである。

 この作品は、現代の小中学校教育が、国・教育委員会の管理・統制教育によって歪められ、教師が長時間労働を強いられていることを題材にしている。それは、学校が「子どもたちが主人公」ということがないがしろにされていることにも通低しており、そのことを問う作品にもなっている。

 教師の長時間労働はほんとうにひどいものがある。私たちが義務教育を受けていた頃と較べると隔世の感がある。現代の教師たちは、この作品で描かれているところに沿っていうと、まず、教職員の病休や精神疾患が急増していることである。そして、教職員の平均退職年齢が50歳であり(早期退職を意味する)、超過勤務は過労死ラインの月80時間を超えている。

 そういうなかで、親友の亜里砂は、うつ病にかかり、教職の仕事を辞していった。亜里砂はこの物語にほとんど登場しないが、教育の管理・統制教育の犠牲者として読者に大きな印象を与えている。このことが、この作品の深刻さをよく表している。

 この作品の主要な登場人物は、香澄と落合と笹岡の3人である。落合は、管理・統制教育を推し進めようという人間として描かれている。一方、笹岡はこの教育のあり方に疑問を呈し、職場を働きやすい、教師が自主的・自覚的に仕事ができるように変えたい、という意識を持っている。そして、そういう行動も起こしてゆくような人物として形象されている。

 笹岡の意識と行動によって、職場が少しずつ変わってゆくようすは、なんとも清々しい。まず、衛生委員会の設立の要請で、それが立ち上げられた。そして、産業医の講話実施、「ノー残業デー」、勤務割り振り変更簿、アンケート調査などが実施されるようになった。

 香澄は、「職場の雰囲気が変わった。何より、学校へ行くのが辛く、辞めたいと悩んでいた自分自身が変わったように思えた」という感慨を抱いて、二年目の終業を迎えたのだった。

 「ローアンの風」は、話が出来過ぎという風に思わないわけではないが、しかし、小説というものは色々あって然るべきだと思う。現実をありのままに描くのもよし、現実を告発するのもよし、現実の在りようを問題提起するのもいい。

 小説は自由で多様性があっていいと思うし、またそうでなければならない。この「アーロンの風」のように、いくらか無理はあるが、「未来を語る」小説があってもいいし、「未来は語られなければならない」。暗い現実のなかにあって、この小説はひとつの未来を描き、ひとつの典型を描いたものとして評価できる作品となっている。



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