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エッセー【燃える父】

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2018年2月14日(水)晴れのち曇り

 ご訪問いただき誠に有り難うございます。

  ぼうぼうと
   燃えゆく父の
   罐(かま)の音
   唇噛んで
   立ち尽くすなり


 この短歌は、不意に父のことが甦(よみがえ)り、最近詠んだものです。

 父が亡くなったのは、もう十数年前のことになるでしょうか。しかし今でも晩年の父の姿が、脳裏に浮かび上がってきて懐かしく思い出されます。

 父は明治37年生まれで92歳でなくなりました。今年は明治維新より150年として、無条件に祝う向きもあるようですが、それはほんとうの歴史というものを正視していないように思います。

 明治150年の前半は、おおよそ他国への侵略戦争が断続的に実行されてきたのです。明治維新は1868年ですが、良く知られた戦争を上げただけでもそれはよく分かります。

 1894年、日清戦争。1904年、日露戦争。1914年、第一次世界大戦に参戦。1918年、ロシア革命への干渉戦争。1931年、満州事変。1937年盧溝橋事件。1941年真珠湾攻撃。

 このように、次から次へと他国への侵略を繰り返してきた歴史が浮き彫りになってきます。したがって、無条件に明治150年を祝えないと思えるのです。

 父はそれらの戦争に3度も徴兵され、銃弾の飛び交う戦地に赴いていったのです。それは父の生涯にとって、痛ましい過去として身体に刻まれているように思います。

 父が戦争と貧しさから解放されたのは、晩年になってからです。ようやく父の笑顔が見られるようになったのは、その頃だったように思います。そんな小さな倖せも束の間で92歳で亡くなったのです。

 わたしはその父を斎場に見送りにゆきました。すると、焼却の罐がボッと燃えて、ぼうぼうという音が聞こえてくるのです。父が燃えているのです。わたしは唇を噛んで、立ち尽くしていました。
 


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 青い海と緑の山、青い空をもつ素敵な村です。
 名前は「千春」ですが、男性です。

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