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エッセー【『キミの目が覚めたなら』を読む】

シクラメン・11~3月



2018年1月18日(木)晴れ時々曇り

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 『キミの目が覚めたなら 8年越しの花嫁』という本を読みました。作者はこの本の主人公である中原尚志と麻衣の共同執筆です。この本はノンフィクションで、尚志と麻衣が8年越しの結婚に至る道程を描いたものです。

 中原尚志と麻衣は、結婚式を2007年3月に行う予定でした。ところが、2006年末に麻衣を原因不明の病気が襲います。それは、あとで分かったことですが、300万人にひとりがかかるという難病でした。

 その病気は、抗NMDA受容体脳炎という急性型脳炎でした。3カ月後に控えた結婚式はもちろん上げることは出来ませんでした。それどころか結婚にいたる道のりは、8年という歳月を待たなければなりませんでした。

 この物語にはふたつの奇跡があります。ひとつは、麻衣が医療スタッフや家族、尚志などに支えられて、300万人にひとりという難病から生還したということです。

 もうひとつは、婚約者の尚志が麻衣を支えながら、8年ものあいだ純愛をつらぬいたということです。ごく普通に考えれば、8年もの間、難病の女性を待つことはとても難しいことです。それを尚志は麻衣の生還を信じて献身的に尽くします。

 尚志は次のように記(しる)しています。

「とにかくいろいろあったね。命が助かった。目が開いた。自発呼吸ができた。外に出られた。追視した。HCU(高度治療室)を出られた。腕が上がった。バレーができた(病室でビニールボールで遊んだこと)。笑った。泣いた。足が動いた。一時帰宅できた。」

 「口からごはんを食べられた。声が聞けた。会話ができた。立った。歩行器を使って自分の足で歩けた。退院できた。手料理が食べられた。買い物に出られた。」

 このように、麻衣は脳炎にかかってから、昏睡状態がしばらく続き、心肺停止も起こし、意識が回復したのはずっとあとのことだったのです。それから尚志が書いているように、半歩、一歩と回復していったのです。

 こんな情況におかれたとき、普通、人はどんな生き方を選択するのでしょうか。わたしにはとても尚志のようには生きていけないのではないかと思えてしまいます。このふたりの物語は、わたしの心に深く刻まれることになりました。読む者に感動、感銘を与えずにはおかない優れた本だと思います。



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